入学式が終わり、美保は1年4組の福担任となった。

各教室でHRを行い、挨拶をして、その日は終わりとなった。

生徒は帰れても、先生は帰れない。

職員室に入って机に着くと、学級手帳を忘れたことに気が付いた。

急いで1年4組の教室に戻ると、生徒が1人、席について本を読んでいる。

机には、美保が忘れた学級手帳が置かれている。

ストレートな黒髪に、シャープな輪郭、細身ながらも高校生としての威厳が見える。

{高校デビューか?}

ふざけてみても、美保の中にはその生徒から滲む、大人っぽさをひしひさと感じていた。