そして、教室には舞矢と美保の2人だけとなった。 「ありがとう」 久しぶりに舞矢に掛けた言葉だった。 「いえ、」 「行かないの?」 バックを背負わず、立ったままの舞矢に近づく。 「高校生活を楽しんでね」 「……」 美保が舞矢の傍まで行く前に、彼はバックを持って教室を出ていってしまった。 {さよなら}