母が初めて1人で家出した。

あの時の事は何よりも鮮明に覚えている。

夜、7時位に母と父が、喧嘩した。
そして母は何も言わず振り向かずに家を出て行った。

その時、きっとすぐに迎えに来る。
私が居ないと、ママは寂しいもんね!

そう幼心に信じていた

しかし、学校が休みの土日にも
次の土日にも、母が私達を迎えに来ることは無かった

毎日泣いた。限界だった
母が残した
オレンジ色の服を抱きしめて泣いた

それだけが母の残した匂いだった