蜜ショコラ





ドクン、ドクン

ドクン、ドクン



さっきの胸の高鳴りとは、また違うかもしれない。

さっきの力強さより、心はもっと苦しいかもしれない。



抱きしめた感触は、きっと変わらないのに。いろんな気持ちのせいで、思考が麻痺していて。



迷っても、悩んでも

答えはきっと、見つからないから。



許される先なんて、あるはずないから。




「ごめんね…、圭吾くん」


「…いいよ、別に」




たぶん、二人にだけわかるごめんねの意味。



伝わってるんだよな、全部。



お互い言えることは限られても

繋がってるなら、それでいいんだ。