蜜ショコラ




「でもっ、でも違うの!」


「……」



突然オレの腕を掴んで、何かを訴えるように迫ってきた野崎。

オレは静かに、野崎を見つめ返した。



何が、違うんだ…



「私…わたしね、気が付いたら頭の中、圭吾くんのことばっかりで。…そんなの、そんなのダメだってわかってるのに。……省吾だって…いるのに…」


「……」



野崎の唇が震えて。

透き通っていた瞳は、どんどん潤んで。



そんな表情見せられたら、どうしていいかもわからなくなって。



「野崎…」



気持ちも、動揺も。


もう…、コントロール不可能。



「圭吾くっ…」