蜜ショコラ





ドクン、ドクン

ドクン、ドクン



なに言ってんだよ…

どう解釈していいんだよ。



情けないくらい、また何も言えなくなって。

オレは目の前の野崎がうつむく様子を、黙って見てることしかできなかった。



動きそうになる腕に、力がこもって。

溢れそうになる想いに、胸が苦しくなって。



なんで

なんで



もう、無理だろ…



「野崎、オレ…」


「圭吾くん」



えっ…



突然目の前に出された箱。

小さいけど、丁寧にリボンがかけられてる。

これは…



「今日、…バレンタインだから」