蜜ショコラ




それから、どれだけの時間そうしていたかわからない。

星が光りだすそのときまで、オレたちはずっとその渦の中に座り込んでいた。



何かを話すわけでもなく。

かといって見つめ合うでもなく。



ただ肩と腕が触れ合うその距離で、お互いの存在を確かめ合っていた。



そろそろ、出ないといけないな。

でも、できればこのまま、一緒にいれたらいいけど。



そんな気持ちが伝わってしまったのか、不意に隣を見た瞬間、野崎と目が合ってしまった。



「あ…、いや、もう遅いし。帰らないとまずいだろ?」



動揺するオレに、野崎は真剣な表情で言う。



「…帰れなくても、いい」


「……」