前のこと、謝った方がいいのか。 あんな言い方しか、できなくて。 困らせたいわけじゃなかったのに、傷つけたいわけじゃなかったのに。 オレは、やっとのことで野崎に一歩近づこうとした。 でもそのとき 「陽奈ー?」 「…っ!」 省吾の声がした。 野崎を探してる省吾の声が、廊下の奥から響いてきた。 「省吾…」 思わず振り返るようにした野崎。 その腕を、オレはとっさに自分の方へと引き寄せた。