「それは、俺の台詞のような気がするけどな」
じっと見つめたまま動かずに、圭都は言った。
柔らかな髪。
綺麗な顔。
長い睫毛。
色素の薄いガラス玉のような瞳。
今、此処にあることをじっと確かめていた。
湊に良く似た、湊の弟。
同じ痛みを知っている人。
「傍にいることがこんなに嬉しい」
噛み締めるように言った声は、私の胸を苦しくさせた。
いとしさが込み上がる。
幸せに満たされる。
「三人で、生きていこう」
「三人で・・・?」
「湊と、俺と、時雨で。」
あぁ。
こんなにも。
同じ気持ちでいれくれるなんて。
生きているんだ。
湊は、ずっと。
私の中で色褪せることなく輝く。
ぼんやりとしていく輪郭が切ない。
遠のいていく声が切ない。
けれど、生きている。
そして、圭都の中にも。
受け止めてくれた優しさが。
支えてくれた強さが。
先に逝ってしまった儚さが。
生きているんだ。
だから、圭都と一緒に生きていける。
そう想った。

