「あーぁ」
なんとも間の抜けた声がして、私は驚いてママを見つめる。
にやにやとしているお父さんとママ。
私達は、ぽかんとその二人を見つめた。
「ついに『おばあちゃん』ですって」
「僕も。ついに『おじいちゃん』かぁ」
楽しそうに二人は寄り添っていた。
その光景がとても不思議で、私は涙が止まったのを感じた。
ママがベッドの端に座る。
そして、優しく圭都の手の上に自分の手を重ねる。
圭都がびくりと揺れたのを、ママの手がしっかりと掴んでいた。
「あなたが悪くないのは、もうずっと前からわかっていたのよ」
圭都は顔をゆっくりと上げた。
ママは笑ったまま、圭都を見つめていた。
「ただ、折り合いがつかなかったの。一度あんな風に拒んでしまって、どうすればいいか分からなかったのよ」
「あの・・・」
「本当に良く似ているわ、快斗に。圭子さんに感謝しなくてはいけないわね」
「そんな・・・、だって、母は・・・」
「快斗も湊もいない今、貴方が此処にいて救われるのは私も同じだわ。どんな形であれ、貴方に逢えてよかったと思ってるわ」
「俺は、存在してはいけない、と・・・」
「そんな風に想わせてしまって、ごめんなさい。佐々木に怒られたわ。『認めない』ことがどれだけ人を傷つけるのか知りなさい、って」
ママは私に向き直った。
そして、穏やかな表情を浮かべていた。
そこにいるのは看護師のママではなく、圭都の存在を認められないママでもなかった。
『母親』の顔をしたママ。

