だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版






保管庫には社内で扱った様々な資料が並べられている。

部屋自体は十人くらい入れる会議室と変わらない広さはある。

棚が並べられているので、小さな図書館のようだ。



一番奥にある企画室の棚にファイルを収める。

私がこの会社に入社してからのファイルの他にも、沢山の資料がここに集まっている。


ゆっくりと見ている暇はないが、なんとなく手にとって数年前のファイルを開いてみる。

懐かしい商品の企画や、見たことのあるポスターなど、添付資料を見るだけで楽しくなってしまった。



自分がいないころの会社の資料を見て、ふと不思議に思う。

こんな風に広告に携わるなんて考えたこともなかったな、と。



この会社に営業事務として入社し、社内業務を任されていた私。

そんな私が、アシスタントとしてイベントの手伝いやクライアントの打ち合わせに出向くことになるなんて。

仕事をしていくと、ひとつひとつ積み重ねたものが見えてくる。


面倒だと思うこと。

楽しいと思うこと。


両方を持ち合わせているからこそ私は働けるんだな、と実感していた。




あまりのんびりしている暇もないので、棚にファイルを戻した。

保管庫の中を一回りして廊下へ続く扉へと足を向けた。