「私……もっと頑張らなきゃ。」
なんて、1人で呟く。
馬鹿みたい。本当に。
「おい。」
その低い声が聞こえてきたのは、正面玄関で私が靴を履き替えた時だった。
「なに?」
私はキョトンとした態度を見せた。
実は、私が立っているのは目の前にいる相田 彗月の靴箱の真ん前だった。
「なにじゃねぇよ。
そこどけ。」
「なんで?相田っち。」
「そのあだ名で呼ぶな。
イライラする。」
「私はあんたがこの学校にいるだけでイライラするよ。」
だって、パンダ達の声がうるさいから。
なに?あの黄色い声援は。
なんでこんなやつが廊下通るだけでこんなにキャーキャー騒ぐの?
「…………」
しばらく沈黙が続いた。
しかも目の前のやつが睨んでくるという最悪の状況で。
「なによ。悪い?
私は自分の言いたいことはっきり言っただけなんですけど。」

