姫様参上!


「すぐ戻ってくっから。」



「別に戻ってこなくていいし。」



「酷い……」



ーーバタン



「ふぅ〜……やっぱ1人が落ち着くなー。」



さっきは寂しかったのに……

私って、ずるい?



「まぁいいや。
ハンバーグ食べまひょー。」



私は、厨房に入った。


キッチンじゃなく、厨房に。



「無駄にデカイところが多すぎんだよ。
この家は。」



私が、ハンバーグの入ってる皿に手を伸ばそうとした時だ。



ーーキィ〜……



扉の開く音がしたのは。


私はすぐに玄関へと走った。



「誰?」



「………あんたこそ、誰よ!」




……まさかこの女………



「ス、ストーカー女⁈」



「誰がよ。
私はただ、健太さんの安全を見守ってるだけ!」



見守ってるだけって………度が過ぎてるんだよ!



両方馬鹿でバカップルかっつーの。



「あの、出て行ってもらえます?」



「嫌よ。
健太さんと別れてくれるまで、ここを出ないわ。」



………こいつっ!


誰にむかってそんな口聞いてんのかな?



私は美村株式会社の時期社長だぞ?


跡継ぎなんだぞ?あぁ?




…………まぁ、言わないけど。



「健太とは何もありません。」



「そんなわけないわ!
だって…さっき合鍵って………」



ーーキィ〜……



また誰かが来た。



健太?いや違うな。

だって、コンビニまで歩いて10分はかかるし。



「ただいま。」



「明!おかえり!」



「………あれ、君は……」



「中野先輩⁈なんでここに?」



「その質問、そのまま君に返すよ。」