姫様参上!


「はぁ〜……」



静かすぎる。


なんかやだな……



「なんでこの部屋、テレビ置かないんだろう。」



社長にはこだわりがある。


テレビを置かないのも、そのうちの一つ。



理由は、食事の時にテレビを見るのは行儀が悪いから。



「なんでテレビ見るために和室まで行かなきゃいけないんだ〜!」


面倒だ。本当に。



ーピロリン♪


私の携帯が鳴った。



そういや私、まだガラケーだったんだ。

早くスマホに変えてもらおー。


って、これ知らない番号じゃん!


「……誰?」



「ひでぇなぁ…“まなりん”」



「……!?」



私をまなりんと呼ぶのはあいつしかいない!



「健太!?」



「おうよ。
久しぶりだな〜!」



はい。すみません。


もう少し後で説明しようと思ったのだが…仕方ない。



「おーい。
聞こえてるのかー?」



こいつの名前は、

神崎 健太。

純の……弟だ。


今は、多分だけど……ホストやってる。


で、私の家のもう1人のお手伝いさん。


ちゃんと料理もやるし掃除もまぁまぁできる。



だけど………