私が正面玄関についた時、妙に視線を感じた。
「まなちゃん。私達すごく見られてる気がしない?」
「そう……だね……」
「もしかして……いじめのことかなぁ?」
かなぁ?って、軽いよ!ちーちゃん!
まぁ、そんな感じで話していると、廊下から集団で女子がやってきた。
中には桜庭さんもいる。
「まなちゃん………どうしよ……」
私の後ろで震えているちーちゃん。
やっぱり怖かったんじゃん。
「なに?あんたら。」
「朝から愛海様に会えて超幸せです。
でも………その子は邪魔じゃないですか?」
ツインテールの子が言ってきた。
「意味がわかんないんだけど、とにかくそこどいて。」
私が通り過ぎようとすると、腕を掴まれた。
「なにすんだよ。」
「まぁまぁ、そんな怖いこと言わないで、愛海ちゃん。」
「桜庭さん………」
「あのね、私達はけして愛海ちゃんを傷つけるようなことはするつもりないの。
ただね、邪魔な子を愛海ちゃんからのけてあげようとしてるだけよ。」
そういうと桜庭さんの周りにいた子達がちーちゃんを捕まえた。
「やめろ!ちーちゃんを離せ!」
私がちーちゃんを離そうとすると、桜庭さんに止められた。
「ねぇ、愛海ちゃん、賭けをしません?」
「賭け?」
「えぇ。今からあなたのファンに千尋ちゃんの存在が邪魔かどうか聞いてくるの。もし、多数決で邪魔が多かった場合は、即この子を学校から消す。
どう?」
「ふっ………桜庭さんって笑顔が綺麗な人だと思ってたけど、結構汚れてたんですね。」

