姫様参上!



「ずっと後悔してたんだ…
一回しか、純に会わなかったこと。」



「そうか……でも純が毎日言ってたぞ。
俺には可愛い彼女がいるって。」



「本当……⁈」



「あぁ。本当だ。でも時々悲しそうな目をして話してた時もあった。
多分、肝臓移植をするのに少し迷いがあったんだと思う。」



そりゃそうだよね…………



移植なんて、私にはできない。




「ねぇ、これ、読んでいいの?」




「あぁ、てかお前に読んでほしいんだ。」



「うん。わかった。」



私は封筒をあけ、中に入っている1枚の白い紙を取り出した。



「純…………」




【彗月へ

今、この手紙を読んでるってことは、手術が成功したってことだな。

本当によかった!

お前にはまだまだやらなきゃいけないことが沢山あるだろ?

例えば、紫乃ちゃんって子との関係、ちゃんとけじめつけてあげるとかな。

紫乃ちゃんはきっと、お前にとって大切な人なんだろうけど、どうしても俺の彼女だけは守ってほしい。

わがままだと思うが、これだけはやってほしいんだ。

空から彼女を見た時、1人ぼっちで泣いてたりしてたら俺が悲しくなるからな。


最後に、俺の彼女の名前を書いておく。


美村 愛海


きっと、どこかで会うはずだから。


じゃあな!



☆純☆ 】