【短編】毒舌美少女と犬系男子








「私と、一緒に叶える.....夢....?」




「.....海?」


私が花の言葉を繰り返して言ったからなのか、驚いている。


花だけじゃない、蒼空も、千影もだ。


最初は私も気が付かなかったが、蒼空に言われて気づいた。



「海ちゃん、泣いてるの.....?」




「私が、泣くなどっ....ないのだ...っ!!」


バレないようにと頑張りすぎてポロッと一粒の涙が零れ落ちた。


それを見た花が私を優しく抱きしめた。



――ふわっ


花に抱きしめられたときに柑橘系の匂いが鼻を掠めた。



「は、花っ....?」




「海、ずっと一人にしてごめんね。

こんな不甲斐ない姉だけど赦してくれますか?」


グッと涙を堪えて息も整ったところで言葉を放った。


私も、花も必要としていた言葉を....



「私の姉はこの世でたった一人しかいない。

不甲斐ないとかそんなもの関係無い。」


そこで一旦言葉を切って花から離れてまた、続けた。



「私は、花が大好きだ。

だからあの約束をココで果たそう。」