「オレ、花さんの本当の心が見えた。
妹思いの優しいお姉さんなんだって」
「.....私は帰る。
こんな馬鹿みたいなことに付き合ってられるか。」
そうやって吐き捨てて蒼空達とは逆のほうを向いて帰ろうとした。
だが、ふいに誰かに抱きすくめられた。
・・・・この匂いは.....
「...ごめんなさい。」
「.............花。」
私は後ろから抱きしめられているから顔は全く分からぬが声と匂いで花だとわかった。
「私、海が出て行ってから後悔してたの。
たかが中学生のときの彼氏ごときで海に嫉妬するなんて....
私は姉として失格だった。
だから、いっぱい、いじめてしまった。
だからっ....ごめんなさっ...」
「花。それ以上は喋るな。
私達は縁を切ったんだ。あの約束にも来なかった。」
ずっと喋り続ける花の言葉を遮った。
このまま放置して聞いていたら夕方になってしまう。
それくらい、会っていなかったから。

