◆◇蒼空Said◆◇


急に足が止まった海ちゃん。


びっくりして訪ねてみると、震える声でこう聞こえた。



『きみは、私を知っているか....?』



どういう意味だろう?


そう思って顔をのぞいた。



「!!?」



海ちゃんは目の淵に涙をめいいっぱい溜めて我慢していた。


瞬きしたらその綺麗な雫が零れ落ちそうだ。



・・・・・こんなの不謹慎だって分かってる。


だけど、可愛すぎる。


下唇を噛んで涙が零れない様に必死なところ。


艶やかな黒髪が海ちゃんに合わせてふるふる震えている。


そして、しっかりと繋がれたオレとの手にギュッとしがみ付くように離れない海ちゃん。