「まったく....僕じゃなくて変な人だったらどうするの?」



珍しい。わんこが怒ってる。


わんこでも怒るのか。



「どうもしないが?」



「......本当に?」



いつものフザけた感じの声とは一段と低く、ヤバイ。


・・・本能的にそう思った。


キッチンで朝食を作っていたのか、フライパンを握っている。


目玉焼きだろうか?


そのフライパンを置き、こちらに振り返った。


それから一歩ずつ、確実に私の方へ歩いてくる。


そして私の背中が壁に当たったとき、蒼空が言った。




「オレじゃダメなの....?」



一瞬何のことか分からなかったが、昨日のことだろう


蒼空と付き合ってるのに、誰かを待っているということ。


コイツは絶対に勘違いしてる。


私が待っていたのは......