襖を勢いよく開けたのは........




「稔磨!脅かすな!愛しのお春さんの心の蔵が止まったらどうすんだ!」




稔磨だった。




「晋作を........アイツを責めないてやってくれ。アイツなりに悩んで出した結果だ。それと変な捜索もやめろ」





「....稔磨何か知ってるの?」





春はさっきまでのおちゃらけた雰囲気から一変し、目を釣り上げ稔磨を睨んでいた。




「俺は....全部知ってる。」




「じゃあ教えてよ!!!!!!!!」





高い声を更に高くし悲鳴に近い声で叫んだ。




「それはできない。アイツとの約束だから。でも....これだけは言える。アイツは....晋作は....もう此処に帰ってこない。」






「な....んで....?」





何故....晋作は何も言わずに出ていってしまったのたろう。



何故....晋作は嘘を付いてまで私を突き放したのだろう。






春は稔磨に抱き着いて泣いていた。





稔磨は私を見ると、突き放される側よりも突き放す側の方が辛いんだ。とだけ言うと春を連れて部屋を出て行った。




突き放される側よりも突き放す側の方が辛い....か。




私はその日部屋から出なかった。




それはこれ以上みんなに泣いている姿を見られたくなかったからだ。




私は陽が昇るまで声を押し殺して泣いていた。





太陽が一番高いところまで昇ったのを確認すると私は荷物をまとめ、小五郎達の元へ向かった。





3人は縁側に並んで座っていた。





「こご....」






私は声をかけようとしたがやめた。





何故なら3人は桜の事を話していたからだ。