こうして解散した私達だったが私はしばらくその場から動けなかった。
「桜....そろそろ帰るぞ。」
「....................」
何も言わない桜の横に土方はそっと腰を降ろした。
「なぁ、桜。」
「................」
「俺と勝っちゃんは農民の産まれたったんだ。普通なら俺等は今頃畑を耕していたんだ。だけどな、俺と勝っちゃんはどうしても誠の武士になりたかった。だから俺等は誰に笑われようが夢を諦めなかった。」
「................」
「俺も勝っちゃんも今の新選組に満足していた。刀が握れて、沢山の仲間がいて、京を守れて。廃刀令が出て、俺達は相当傷ついた。だがな、俺等にはまだ沢山の仲間がいる。それにこれからは京だけじゃなく日本を守る事が出来るんだ。農民の出の奴等がここまで這い上がって来た事はすげえ事だろう?」
「............私の話も少しだけ聞いてくれる?」
「あぁ。」


