「……峯」
「なぁに?」
「あなたは男なの?女なの?」
その一言に峯は目を丸くする。
「黒川に言われたなら、女やってないと駄目なんじゃない?」
「あら、黒川様以外のベッドで女である必要があるとでも?」
その言葉は不敵だったけれど、茉梨亜は首を横に振った。
「それは嘘でしょ、峯」
身体から峯の手を外して、茉梨亜は彼を見上げる。
「私を抱こうと思ったならそんなワンクッション要らないし、それに女言葉も直してないじゃない?」
「……」
表情無く指摘され、峯は目を細めた。
確かに、今その気になれば無理矢理にだって。
だがその思考を次の発言で遮られた。
「……峯は私にどうして欲しいの?」



