Mr.%j$湲 of forest



普段なら何の問題もなく森を抜けられるのだが。

今の時期が悪い事を忘れる程、祖母の容態が心配だった。


この森を通らないと祖母の所へは行けない。

(しまったな……)


だが冷静な自分に少し驚いてもいる。



目の前のそれは、子連れだった。

森に住む、黒い主……


「……」

彼はその月の様な金色の瞳で私を見ている。


突然の私の登場に驚いたのか、彼も動かなかった。

彼の影に隠れる様に、小さな黒が居る事を私は目の端で視認する。


この時期は…そう、

幼い我が子に食料探しを教える頃だ。


そして外敵から子に危害が及ばない様、この期間、彼らはとても気が立っているのだ。


森の近辺に住む住民は、そんな事百も承知。

だが……

出会ってしまった。

身の危機どころか命の崖っぷちに立たされた私。





――とうとう彼は威嚇をした。


「あぁあっ!!」

私は彼の威圧に腰を抜かす。

やばい。

気が立っている時の彼らに出会って命があった者程、惨い。

半身を失ったり、一生光を見る事が叶わなくなる。


私もここで、一生の一部、又は全てを棄てる事になるのか。