待ち合わせ場所につき、しばらくすると、向こうの方から肩までの髪を揺らしながら、宏菜の友達の高良里子(たからりこ)が走ってきた。

「 おはよっ宏菜!」

「おはよう里子」

「宏菜早かったねー。まだ集合時間の、10分前だよー?」

「ま、まぁね.....」

里子は小学校からの宏菜の親友だ。
いつも明るくて元気な子である。意外に涙もろかったりするのだが本人は絶対にそれを認めたことはなかった。