「いらっしゃいませー」


コンビニまでは徒歩で3分と近い。だから車で5分の所に24時間営業のスーパーがあるにも関わらず、ついついここに来てしまう。


赤々と光るライトの下、自動ドアを抜けると、バイト生であろう気だるそうなやる気のない男の若い店員の声が響く。


この時間にここに来ると、大抵この男の子がレジに立っている。


中に入り籠を手にすると、お目当てのコーナー目掛けて迷いなく歩いていった。扉を開くとキンキンに冷えた子達がたくさん陳列されている。


あー、会いたかったよ。飲みたくて飲みたくて仕方のなかった私にはキラキラと輝いて見えた。えーっと、発泡酒?


「やっぱりこっちだよね」


一瞬悩んだけど、今日の気分はこれだと、ビールの6缶パックを手に取った。とりあえず、これだけあれば足りるだろう。


あとは適当につまみと……デザートかな。料理も出来なくはないけれど、こんな時間から作る気なんてさらさらない。買おうと思えば何でも揃う便利な世の中だ、ここは利用するべきだよね。そう言い聞かせることにした。


こんな事をしているから、お肌も余計に荒れちゃうんだよね。私、すでに女捨ててる。


……見せる相手もいないし、構わないか。


そんな自虐的なことを考えながら、デザートのコーナーへと移動した。