私は椅子から立ち上がり、ドアに向かった。



「どこへ行く?」



蒼が問いかけた。



「校長に直談判しに行くの、先生が処分されるなんて…ありえない!」



「止めろ!話をデカくする気か!?」



そう言って、蒼はドアに立ちふさがる。



「どいて!」



「今回のこと、校長は知らないんだ。

知ったら、坂下先生にもっと重い処分が下る。」



校長が、知らない…?



「実は、教頭の一存で…握り潰した。」



「教頭が…って、どういうこと?」



「教頭は坂下先生の大学の先輩だから、坂下先生のことは大抵お見通しってワケ。

ホントはアンジェが仕掛けたことくらい、教頭は分かってる。

だけど、坂下先生が最後までお前を庇うから、今回は教頭が折れたんだ。」



坂下…どうして、私なんかを庇うの?