「先生、ご存じだったんですね。

リコと…蒼のこと。」



坂下とアトラクション巡りをして、少し休憩するために入ったカフェで話を振った。



「…ということは、アンジェも知っていたのですか?」



私は頷いてから、聞いた。



「反対、しないの?」



「何故ですか?」



「教師と生徒の恋愛だよ?

止めないの?」



「蒼先生は独身ですから…。

あの2人のことは、今はそっとしておきたいと思っています。」



坂下が2人を別れさせる気が無いと分かって、ホッとした。



「先生は、リコがちゃんと勉強してるって思います?」



「いいえ。

私たちがここから出ないのをいいことに、どこかでデートを楽しんでいると思われます。」



坂下は、メガネを直しながら言った。



「なーんだ、先生も一緒か…。」



賭事に関して、不敗神話を持つ坂下を負かしてみたくて話を振ったんだけどな。