私の顔、絶対に真っ赤になってるハズ…。



「何か、言われたの?」



梨香が尋ねた。



「グラビアのこと、他の先生にバレたら処分されるから気をつけろって…。

それと、また雑誌に載ったら買うって言われた。」



「好きな人に、見られても良いの?」



「綺麗だって思って見てくれるなら、良いの。

それが例え、蒼でもね。

ただ、奴は目的が違うから…それがイヤ。」



そんな話をしていたら、職員室の扉が開いた。



現れたのは、坂下だった。



「コーヒー代の支払いを忘れていました。」



「先生から頼まれもしないのに来ておいて、お金なんて取れません。」



私はそう言った。



坂下のこと好きだって気付いてから、呼び捨てになんて…できなくなった。



「アンジェ、僕からはしっかり徴収しておいて、坂下先生はタダっておかしいだろ。」



背後から、職員室に来た蒼の声がした。



「蒼のときは、聖女の乙女たちが一緒にくっついていたし?」



蒼は昨日、梨香が中学まで通ってた学園のお嬢様たちと校内を回っていた。



梨香と気まずくなってるっていうのに、それってどうよ?



ってか、そばにいる梨香にも声をかけてあげたら良いのに…。



ちょっと不自然だと思うくらい、蒼は梨香に声をかけようとしない。



「お前な…こうしてくれてやる~!」



ヤキソバを手にしてた蒼が、私の首に腕を巻きつけて絞める。



そして私に、こう言った。



「アンジェ、お前分かりやすいな。

だけど…お前が泣くだけだぞ。

悪いこと言わない、坂下先生は諦めるんだ。」



そんなこと、分かってるよ…。



だけど、私の想いは走り始めた後だった。