この作品ができたのは、全くの偶然だった。


『蒼恋物語』執筆中に、梨香の友達として書いたアンジェリーナが、脳内で私に話しかけてきたのである。(こんなこと書いたら、危ない人だと思われそうだか…。)


「坂下に惚れた」


正直、をい!ちょ…待て!!

って思ったよ。


お前は、カレセンだったのか?


ちなみに私は、若いイケメンも素敵な枯れ具合のオジサマもOKだ。


NYスタインウェイを弾きこなしてた、お坊ちゃん顔のピアニストも

ファリャの火祭りの踊りを独特な奏法で弾く、エンターテイナーなピアニストも

ティンパニ叩かせたら右に出るものはいない、赤チーフが素敵なお兄様も

ラヴェルのボレロでスネアドラムを淡々とこなす、お髭のオジサマも

名器のヴァイオリンで艶やかな音色を奏でる、イタリアンなオジサマも


仕事中がカッコ良ければ、それで良し!


ってか、若い女性ロッカーも追っかけてますし。

(上記6人全員の名前が答えられたら、桜雛マニアに認定したいくらいだ。)


どんだけストライクゾーン広いんだよ!

って突っ込みは、受け付けません。



脱線したので、話を戻そう。


坂下には悪いが、設定当初から『最期』だけは決まっていた。


完全に脇役だったから、ごく普通に奥さんと子供がいて、それなりに幸せで…。


苗字も適当に付けて、下の名前まで考えてない…みたいなカンジだったんだ。


アンジェリーナがあんなこと言い出さなければ、坂下は『蒼×梨香の関係を追及しなかった結構いい奴』で終わってた。


無理に設定を変えたせいか、人の良いオジサン→非道いオジサンになってしまった。


アンジェリーナには、数多く泣いていただいた。


だけど、あの歳で坂下が独身って設定は無理がありすぎるのだから仕方あるまい。


…と、私は思ってる。