「今朝から何も食べていないのでしょう?

うちにいらっしゃい。」



梨香の言葉に甘えて、お邪魔させてもらう。



久々に来たけど、相変わらずデカイ屋敷だ。



大きなソファーに、梨香と並んで座る。



目の前には、ばあやさんが作ってくれたサンドイッチやお菓子が並べられている。



いつもなら、明日からダイエットしなきゃ…って思う程食べるけど、さすがに今日は食欲がない。



私の顔色を見たのか、ばあやさんが声をかけた。



「お疲れでしたら、床の準備をいたしましょうか?」



昨日は殆ど寝てないけど、眠くない。



私は、首を横に振った。



ばあやさんが部屋から出て行った後、優雅にお茶を飲んでいた梨香が口を開いた。



「私、アンジェの恋を応援するって決めてたのに…。

結局は、何もできなかった。」



「応援なんて…。

それよりも、今こうして側にいてくれることの方が助かる。」



私は、隣にいる梨香の右手を握った。



「この指輪…。」



梨香が、自分の右手と繋がれてる私の左手を見て呟いた。



1ヶ月以上も前からつけているのに、今更気づいたんだ?



「私の恋愛、成就しなかったわけじゃないよ。」



聞いてくれる?



私の、恋バナ。