翌日、名刺片手に、女言葉を喋る男のもとへ向かった。



スカウトを、受けることにした。



ウチの学校がバイト禁止だということもあり、化粧を濃くしてヅラを被る。



雑誌モデルということだが、いきなり水着の写真を撮られたときはびっくりした。



出来上がった雑誌を見て、もっと驚いた。



「この雑誌って…。」



「グラビア誌よ。

反響大きかったから、また出してもらえるんですって。

良かったわねー。」



良く、無いわよ…。



「まさか、今更辞めるなんて言わないわよね?」



言ったら、学校にバラすんでしょ?



「言っとくけど、これ以上は脱がないからね!!」



「脱ぐのは、落ち目になってからよ。

今のアンジェには、下着までしか撮らせないわ。」



「下着!?」



んな、恥ずかしい…。



「恥ずかしいなんて思わずに、誰から見ても綺麗だって思われるモデルになりなさいね。」



成人男性向けのグラビアで、そういうのを求めているとは思えないけど?



ちょっと騙された感は…ある、だけど…。



仕事場に行けばみんな可愛がってくれるし、収入は確実に増えているし、何よりもあの家に真っ直ぐ帰らずに時間を潰す方法を考えなくていいのだから…。



触られるわけじゃないんだし、下着の写真くらい…まぁ良いか。



私の思考は既に歪んでいたのか、そう思えた。