いつまでもこんなところにいたら、聞いていたのがバレる。



出直してこよう…、そう思ったときに声をかけられた。



「アンジェ、何でそんなとこで座り込んでいるんだ?」



蒼の…バカっ!!



私の涙で濡れた目を見て、蒼は



「まさか、お前…。」



そう言ったんだ。



蒼、あんたは知ってたの?



立ち上がって問い詰めようとしたら、病室から院長が出てきた。



「今の話、聞いていたのか!?」



私は頷いた。



「しまったな…。」



そう呟いた院長に、私は涙を拭いながら言った。



「噂好きの看護師たちの口も、塞いだ方が良いよ。」



「肝に銘じておくよ…。」



そう言って、院長は病室をあとにした。