「あんた、どこ見て運転してるのよ!」


今度は私が、運転席のシートに蹴りを入れようとした…ら、バランスを崩した。



蒼がワザと、車を揺らしたからだ。



「アンジェ、僕に蹴りを入れようなんて100万年早いよ。」



バランスを崩して坂下の腰に抱きつくようなイヤラシイ格好になった私に、蒼が言い放った。



「大丈夫ですか?」



坂下が私の頭を撫でながら尋ねるので、慌てて離れる。



車は、少しスピードを上げて走りだした。



学校に到着し、職員用駐車場に車を停める。



「早めに到着したことだし、保健室に行く時間ありますよ。

ついでに、心の治療もしてやったらどうですか?


保健室ならベッドもあることだし、さっきの続きも気兼ねなくできるぞ。」



蒼は、セリフの前半を坂下に、後半を私に向けて言った。



この…エロ教師!



「ちょっと、蒼っ!」



私が顔を真っ赤にして怒ると、蒼が笑いだした。



「ばぁか、冗談だよ。」



んな冗談、要らないわよっ!