教室に行き、クラスのメンバーを見ると、女子は顔で選んだ?…っていうようなコばかりだった。



「私たちも、アンジェって呼んでいい?」



教室にいた女子たちは、赤茶色の髪を逆立てている見た目がコワイ私にも平気で話しかけてきた。



…訂正、顔だけじゃなく性格も良さそうだ。



私は、呟いた。



「誰が選んだんだ?このメンバー…。」



「私です。」



その声に驚き、メアド交換に使っていたケータイを落とした。



振り向くと、坂下がいつものように笑みをたたえていた。



坂下は足元に転がったケータイを右手で拾い上げると、私に差し出した。



受け取る時に、あるものが目に留まり、私の手が止まった。



坂下の指には、私が傷つけた痕がくっきりと残っていた。



心が…痛んだ。



坂下も、気がついたのだろう。



「失礼いたしました。」



ケータイを左手に持ち替えると、私に手渡した。