木野は、私から腕を離すと、シャツの袖で私の目尻をぐいっと拭った。



「泣くなよ、もし困るならちゃんと言っ…」


「…っ…違う!」


「…え?」



「困るわけ無いよ……だって」




そこまで言って、言葉が止まった。




なにしてるんだ、私……今日言うって決めたんでしょ。


ずっと、想ってるだけの自分にピリオドを打つために。



「だって……、なんだ?」



まるで気になるかのように、優しい口調で先を促す木野は私をジッと見つめている。


その視線にやられそうになりながら再度口を開いた。




「だって、私は…木野が好きだから…っ」




震えそうになる唇を必死に動かした。


ふと、脳裏に穂乃花の顔が浮かんだ。