「朝、話しかけられても、いつもみたいに上手く返せないで変に緊張しちまうし…さっきは有澤に名前で呼ばれて照れたような表情見せる二谷を…見てられなかった」



「…っ…木野」



私、夢見てるのかな。


ひょっとしたら、自分で創り出した幻想の中にいるのかもしれない。


まさか、木野がこんなことを言うなんて…。


なんだか信じられない。




そう思うと目頭が熱くなってきた。



「……っ、え、二谷」



私の瞳から涙が一筋流れ落ちたのを見た木野は、目に見えるように困惑していた。



無理もないよね…自分自身でもこの説明のしようがない感情に振り回されてるから。



ただ一つ、分かるのは木野が愛おしいということだけ。