自分の好きな人だからか、すぐに見つけた。

他の人が見えなくなるくらいに、木野を思うと胸が熱くなる。

なんだか苦しい。

でも、嫌な苦しさじゃない。



自分の席で、何かを考えるように窓の方を向いている木野。

私からは、木野の後ろ姿しか見えない。


何を思っているのだろう──?


私は、2人に自席に行くことを伝えて木野に近づいた。



「木野、おはよ」


「ん……ああ、おはよ」


私が挨拶をすると、気づいたようにこちらを振り向いた。


席に着いて、カバンから中身を取り出しながらもどこかいつもの元気が感じられない木野に違和感を感じる。



「どうしたの、なんだか元気なくない?」


「そうか?いつもと同じだろ。」



私が指摘すると、取り付けたように笑顔を作る木野は、明らかに変だ。