「違うも何もこっちがホントのボクだし?」


そう言って、口の端を持ち上げる有澤くん。


「はあ?なにソレ。」


訳が分からないという顔をする天乃。


確かに、私にも分からない。

どういうこと…?


動揺を隠せない私は、有澤くんを見る。



「分からなくてもいいよ。……あ、そうだ二谷さん」


思い出したように、私に向き直る。



「ボク、欲しいものは行動しなくちゃ手に入らないって昨日言ったよね?」


覚えてる?とでも言いたげな口調。


「う…うん。」


「だから、頑張ることにしたんだ。二谷さんも応援してくれる?」


そう言って、私の両手をぎゅっと握った。

驚いて、有澤くんを見るとニコニコ天使の笑み。

なのだけれど、何故か有無を言わせない何かを感じる、気のせいかな。


……てか、手が気になるんですけど!



私がうんうんと何度か頷くと満足したように笑って手を離してくれた。


「今の、忘れないでね」


そう言い残して行ってしまった。