そういう有澤くんは、真剣そのもの。

こんな表情……見たことがないよ。


私が知っている有澤くんは、優しくて、天使スマイルが得意な可愛い感じの人だから。



「………それは、誰?」




だから、好奇心で聞いてしまった。

思わず、有澤くんの隣に座って。


こんな風な顔をさせるのは、どんな人なんだろう?




「教えてあげない。」


そう言って、ちょっと意地悪な顔をする。



「……その人には、好きな人がいるし。それに、ボクのことなんて全然意識してくれないし、見てることしか出来なかったんだけど。」


無意識なのか、足元の小石を転がす有澤くん。

なんだか、子供みたい。


「浅野さんを見てて、気づいたんだ。欲しいと思うなら、行動しなきゃいけないんだって」