野中さんは雅彦さんに似てる。



優しい口振りの癖にかなり強引。



なんだか可笑しくて笑ってしまった。



野中さんの驚いた顔。



「結局私は断れないない訳ですよね。


だから引き受けます。でもあなたのご期待に答えられるかは分かりませんけど、

それでも言いとおっしゃるなら。」



野中さんがとても嬉しそうな顔をする。



『君は僕が思っていた通りの人だ。君を好きになって良かった。


これからの仕事が楽しみだ。


打ち合わだと言って君を一杯誘えるからね。』



野中さんって子供みたいな人だ。



でも私の心の中に彼の気持ちが入って来たのは確か。


卓斗意外の人に好意を持ったのも初めてだった。