自分で自分にいい聞かせた。



私は悠哉を好きな夏生。



少し気持ちが楽になる。



後は卓斗に任せればいい。


撮影本番監督の合図ともにカメラが回る。



私は自然と夏生になれた。


もう回りは見えない。



悠哉だけを見つめた。



そして二人は見つめ合い唇を重ねる。



それは卓斗と始めてしたキスと同じ味がした。



それは胸がキュンとなる甘酸っぱいレモンの味。



監督が満足そうな顔をした。



卓斗と目が合う。



私もやり遂げた気持ちで一杯だった。