「私がいけないのかな?」



卓斗と瑛さんが私を見た。


「私がこんな性格だから、みんなに辛い思いをさせてしまうのかも知れないね」



『違うよ夢花。夢花は優し過ぎる。



この前の司だって許しただろう。



自分が悪いからって。



今度もそう兄貴が悪いのに責めない。』



卓斗が怒っている。



卓斗ごめん私いい加減だし、



司にしろ瑛さんにしても、どうしても私が悪いとしか思えなくて。



でもそんな中途半端な優しさがいけないんだよね。



『まぁ俺は夢花のそういう優しさが好きなんだけど。


俺は心配なんだよ。



夢花が俺から離れて行きそうで。』



卓斗も私と同じだったんだ。



私は嬉しくて、「卓斗から離れてたりしないよ。



私には卓斗しか見えないし愛してるのは卓斗だけ。」


二人だけの世界に入っていた。



『兄貴のバカやろう。夢花に一杯キスしやがって!』


もうそこには瑛さんはいなかった。