「夢花このままここにいたら風邪をひいてしまうから帰ろう。」



卓斗が私を見る。



私は帰りたくないと思った。



パパとママがいるあの家には今はまだ帰れない。



卓斗が私の手を掴んだ。



「卓斗私帰りたくない。」



私は自分から卓斗の胸に顔を埋めた。



卓斗が私を抱き締めてくれた。



暫く抱き合ったままの私に卓斗が、「何処かこの辺りで泊まれるとこ探そう。」


卓斗の優しい声に私は頷いた。



卓斗は私を抱き抱えられるようにして、



車に乗せた。



運転してる卓斗を見ると卓斗は昔のままの卓斗に思えた


なにも変わってなくて良かった。



これは夢なのか?



私は今卓斗と二人切りなんだと改めて思った。



泣き過ぎて顔は真っ赤だし、



服は制服のまま。



帰りたくないなんて言っちゃって、



卓斗困っているよね?