一緒の高校になって舞い上がっていたけど

残念だったのは、クラスが違ったことだった。


だから登下校時くらいが話せる唯一の大切な時間なんだ。

私がB組で

りっくんはD組。

一緒になりたかったよ。

「あれ、お前の教室ここだけど。」


えっ

ほんとにあっというまだな...

早すぎだー...。

「じゃな。」


黒縁メガネの奥で優しい目が笑う。


こんな顔されて、恋しない人が変だよ。


もっと一緒に居たい。


「帰りも一緒に帰ってくれる?」


「おう。」


私に背を向け歩きながら言ったりっくんの背中を

見えなくなるまで見送った。