「いらっしゃいませ!
お待たせいたしました!
お預かりいたします!」


相変わらずの笑顔と明るい接客。
昨日と今日、この忙しさの中だ。
相変わらず周りの店員は、昨日よりは慣れたのか、少しは早くなったようだが、その分疲れているのがひと目でわかる。
この子だけが輝いているような錯覚。
俺の目を見てにっこり笑う少女に、俺も少し笑顔を返しつつ、ふとレジを打つ手を見ると、手の甲に2枚、絆創膏が貼ってあるのが目に付く。


(人間だもんな)

人間かよ。昨日出来すぎている彼女に抱いた、頭の中の独り言。
当たり前だが人間だ。怪我くらいするだろう。