夏の暑い日、少女は黒い髪を後ろにひとまとめに結んでいた。

少しいつもと雰囲気か違う少女に、新鮮さを覚えつつレジに並べば、いつもは髪で見えなかったのだろう。
少女の清楚で幼く見える容姿、性格には似合わない、耳にたくさんのピアスが見えた。

それも可愛いものではなく、ステンレスのボディピアス。


驚きはしたが彼女の趣味なのだろう。
ピアス好きの人間がいることは知っていた。
口や鼻、舌に開ける人もいるし、見たこともあるが、気になって少女の顔を見ると、口の右下と鼻に、穴のような、黒いホクロのようになったものがあった。