ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


親がいない昼間、リビングの棚からお母 さんの薬箱をこっそり開けるのが習慣に なっている。

お母さんが内科でもらってくるハルシオ ン……。今の私には、欠かせない薬だ。

バレないように、2~3錠ずつ持ち出す のが精一杯である。


夜、ベッドに入る30分前に、ミネラル ウォーターでハルシオンを飲み、横にな る。

いい感じで眠くなってくる。

けれど、毎日ハルシオンに頼っているう ちに、だんだん、効き目が薄くなってい るように感じた。


睡眠不足を解消する方法もわからないま ま、私の心は荒(すさ)んでいく。

眠りたいのに眠れなくて、イライラが募 る。