ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


バイトを辞めて一ヶ月が経った頃、消費 者金融から借金返済を催促するハガキが 届いた。

そういえば、ミチに頼まれて10万円借 りて、バイト代で月々払っていたんだっ た。

こわくなった私は、貯金で残りの借金を 一括払いして、消費者金融のことを忘れ るようにした。


バイトを辞めて以来、ミチからの連絡は パッタリこなくなった。

まるで、私は用済みのティッシュペー パーみたいだったなと思う。利用価値の なくなった瞬間、ゴミ箱行き。

それで良いはずなのに、心にポッカリ穴 が開いた気がした。

結局、お金がないと愛されない女だっ た。そう思えて、寂しかった……。


バイトを辞めて、ミチとの関係を切って も、別れの痛みや孤独感はなかなかおさ まらなくて、毎日、ベッドの中で泣い た。

そのせいか、しっかり眠れなくて、たま にしかない大学の講義に出席するのです ら、つらくなっていた。

睡眠不足は様々な悪循環を招くと言うけ れど、本当にその通りだと思う。

集中力は出ないし、思考もマイナスにば かり傾く。

ちゃんと寝ないと……。意識すればする ほど、ますます眠気は遠ざかった。