ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


両親の離婚を――冷めていく男女の愛を 否定したくて、いろんな人と付き合っ た。

結果、誰ともうまくいかなかった。

誰でもいいわけじゃない。ただ、愛して ほしかった。無条件に。

体とか心のつながりを越えて、私の考え 方、長所や短所、全部ひっくるめて、私 を必要としてくれる誰かに出会いたかっ た。それだけだった。

それだけなのに、それは一番難しいこと だった。

学歴が良い人、収入の高い人、品のある 人。そういう条件だけで付き合う男の人 を選ぶ方がはるかに楽なんだと、今さら 気付く。

私をまるごと愛してくれる、そんな都合 のいい人、いない。いるわけないんだ。

分かっていたのに、生まれた時から願い 求めていた深い愛――理想の恋愛は、私 の胸から消えてくれそうにない。

どうしたらいいの……。